ホビー事業部の開発ブログ

プラモデルと日夜格闘する、BANDAI SPIRITS ホビー事業部の開発スタッフによる公式ブログです。

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高橋清二氏に聞く! 「SW」プラモデルシリーズコラム②

いつもお世話になっております。

ホビー事業部 宣伝担当のヤス男です。

 

 

さて、前回「1/2 BB-8」について語っていただき大好評でした高橋清二氏に聞く「スター・ウォーズ」プラモデルシリーズコラムですが、早くも第2弾でございます!

 

今回は「 ビークルモデル 008 AT-ST & スノースピーダー」について語っていただきました。

 

それではどうぞご覧ください。

 

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このキットの売りはズバリ、世界で初めて正確に再現された『エピソード5/帝国の逆襲』(以下ESB)版のAT-ST、俗称『スカウト・ウォーカー』です(キットは小さいけど)。実は『AT-ST』という呼び名は1983年の『エピソード6/ジェダイの復讐(現在はジェダイの帰還、以下はJEDI)』公開時に初めてついた名前で、キットの元になった『ESB』公開時には『スカウト・ウォーカー』と呼ばれており、旧ケナー社のトイもスカウト・ウォーカーの名前で商品化されていました。ちなみにAT-ATの俗称は『スノー・ウォーカー』(むしろこちらの呼び名が一般的でAT-ATと呼んでいたのはごく一部の人達のみであった)と呼ばれていたので、その繋がりで『スカウト・ウォーカー』と付けられたと思われます。この『ESB』版AT-STの劇中登場シーンはごくわずか、ほんの数秒でしたが、それゆえかえって印象に残り「なんか今、2本脚の奴いたよねぇ?」とファンの間で話題となりました。当時の関連書籍を見てもこのAT-STに関しては一切どこにも記述がなく(唯一洋書のシネフェックス誌のみが写真1枚と記事を掲載していた)、旧ケナー社のトイが発売されるまでは一切形状に関する資料はありませんでした。しかもそれはあくまでもトイゆえ、けっして造形資料と使える物ではなく、『ESB』版のAT-STは15年近くもプロポーションや細部が謎のビークルだったのです。

 

時は流れ1993年、池袋のセゾン美術館にて「ジョージ・ルーカス展」が開催され、そこにはなんと主要なパーツが取れボロボロ状態の『ESB』版AT-STが展示されていました。さらに2年ほど経って米国スターログ誌の別冊にプロップ完成時の側面と正面写真が掲載され、「どこから出て来たんだこの写真は!」と、この写真には本当に驚きました。それから数年後に今度は海外のオークションでAT-STの細部写真がまとまって出品されます、しかしその価格は〇〇万円・・・。普段は貧乏生活を送っているのに、なぜかその時は買えるくらいの余裕があったので悩みながらも購入を決意。たかが30枚の白黒紙焼き写真に中古車一台分の代金を出して購入、ようやくこれで『ESB』版AT-STの資料が手元に揃ったのでした・・・。なおこの時購入した写真は、現在学研から発売中の新らしい『スター・ウォーズ・クロニクル』に掲載されております。

 

すでにバンダイでも1/48スケールで『JEDI』に登場した『AT-ST』を商品化していますが、今回のAT-STと見比べると頭の大きさや足の長さが違っており、両者を並べると全体のバランスがかなり違う事がご理解いただけると思います。では、なぜ両者が異なるのか?というと(これはあくまでも推測ですが)『JEDI』ではAT-STの実物大セットが撮影で必要となり、それには『ESB』のように足が細く長いうえに、二人乗りに設定したためさらに巨大となった頭部をのせた実物大セットは危険と判断され、デザイン段階で脚部が短くなったと推測できます。

 

今回のキットでは上記の写真を存分に活用し、プロップに流用されているキットまで解析して一度原寸大の基本図面が描かれ、それを縮小して設計図面としているので大きさは小さいながらも、基本プロポーションはプロップに対して正確なAT-STが作れました。みなさん是非ともキットを組み立てて1/48の『JEDI』版AT-STと共に、『ESB』版のAT-STも堪能して頂きたいと思います。

 

またAT-STと共に同封されるスノースピーダーも、キャノピーは胴体と一体なれどモールド等はシャープで機体後部のフィンのうすさも十分に再現されています。腕に自信のある方はキャノピーをくりぬいてパイロットを乗せたり、エアブレーキ内部を作り込んでも良いでしょう。先に発売となったAT-ATともスケールが合うので、雪原ジオラマ等を作ってみてはどうでしょうか。なお、今回発売するスノースピーダーのマーキングはグレーのルーク・スカイウォーカーが搭乗した機体ですが、赤いマーキングの機体は来月発売になりますので、そちらもお楽しみ下さい。なお、ホスのエコー基地にはローグ小隊の12機が配備されている設定で、6機の実寸大モデルもセットに作られました。誰かこれらのキットを使ってエコー基地を再現するツワモノはおらんかなぁ。

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高橋さん、ありがとうございました。

 

ビークルモデル 008 AT-ST & スノースピーダーは4月22日発売です!

みなさんもぜひ雪原ジオラマやエコー基地再現にチャレンジしてみてください!

 

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DATA

ビークルモデル 008 AT-ST & スノースピーダー

発売日:4月22日発売予定

価格:648円(税8%込)

発売元:バンダイホビー事業部

 

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