ホビー事業部の開発ブログ

プラモデルと日夜格闘する、BANDAI SPIRITS ホビー事業部の開発スタッフによる公式ブログです。

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【カスタマイズ最前線】 オプションパーツセット18(アームユニット/レッグユニット2)

 30MMの醍醐味である組み換えカスタマイズ。機体商品を含まない純粋なカスタマイズ部材としてラインアップを重ねてきたオプションパーツセットも18作目。アームユニット/レッグユニット2の登場です!本商品は過去発売商品のオプションパーツセット16(アームユニット/レッグユニット1)のカラーバリエーション仕様となっており、今回は各キットの魅力を余すことなくレビューします!

 

オプションパーツセット18(アームユニット/レッグユニット2)

 その名の通り換装オプションとしての腕足パーツのセット。これまでにない無骨なイメージで、ヒロイックなスーパーメカというよりも作業用重機などのストイックなメカニズムを想起させるようなスタイリングでまとめられています。

 

 腕部2種。解体作業重機風のクローに、マニュピレーターを介さない直接武器の据え付けられたタイプの腕部を用意。同じ「無骨」さの中にも種類があります。

 

 注目していただきたいのは「武器腕」タイプのミサイルランチャーの構成。円筒パーツを前後に配して、独立したミサイルランチャーにできます。そして、そのミサイルランチャーの固定基部はマルチプルなジョイントとして機能。30MMシリーズ共通の手持ち銃器と同じ規格の長方形型のジョイント、その反対側はシリーズ機体の手首と同じ規格のボールジョイントになっています。

 

 耐荷重性能の高そうな大型スリッパに、宇宙探査機風のロケットノズルのパドルを展開したタイプの脚部。膝アーマーも大きな曲面にボルトを並べたタイプとコンパクトなブロックタイプ。同じく「無骨な」を表現できる中にも複数のパターンを用意できるのだというアプローチの多彩さがポイントです。

 

 キャンバス(布)タイプのシーリング表現も本キットの特徴。文字通り硬軟織り交ぜたデザインによって豊かな質感を生み出しています。

 

 過去発売商品のガルドノヴァやバスキーロットなど、がっしりとしたプロポーションの機体商品と組み合わせやすい類型を模索することで生まれたデザインワークです。

 

 また、今回は新規デザインのヘッド/ボディパーツが付属します。こちらも無骨さを全面に押し出したスタイリングで「手足が付くための機械要素を並べていった結果、人型機械の胴体/頭に相当するモノが出来上がった」というような塩梅。必要最低限のカウリングから、シリーズ屈指の精細なメカディティールが見え隠れする、地味に本キット最大の見せ場と言っても過言ではないユニットです。

 

 組み換えカスタマイズを始める前の素材としてのアーム/レッグユニットも、バラバラで転がしておくよりも、マネキン人形的にでも四肢をそろえた立像にしたほうが実際に使う時の様子を想像しやすいでしょう。仕事や勉強の合間の楽しみとしてのプラモデル。直接手を入れられない忙しい日でもカスタマイズ前の機体と並べてイメージトレーニングをしてみるのも良いかもしれません。それ自体が楽しい気分転換にもなるものです。


 このヘッド/ボディは地球連合軍/バイロン軍/マクシオン軍といった陣営毎の特徴のどれもをあえて外したスタイリングを意識しています。設定を考える際の「このパーツは公式のカスタマイズ例がコレだから〇〇陣営の系譜かな…」といった考察の取っ掛かりを全て外し、純然たる「汎用」デザインによって如何様にも設定を作れる、自由度を拡げるアプローチのアイテムなのです。

 

 過去発売の各種機体商品以上に徹底して「何者でもない」姿を前に、何をする、どんな存在となりうる設定を紡ぎ出せるのか?「何者でもないメカニック素材」をカスタマイズを通じて「メカニックキャラクターデザイン」の決定稿に仕上げていくのは、さながらロボットムービー作品の監督気分!

 

 また、先行してラインアップされた”オプションパーツセット16(アームユニット/レッグユニット1)”とは同一パーツの色違いアイテム。実はオプションパーツセットにおける初めてのカラーバリエーション展開でもあるのです。この2色をどう駆使するのかも監督の腕の見せ所ですね。

 

 ここからはそんな監督気分で実際にカスタマイズしていった例を見ていきましょう。

 まずはこのキットの素性を理解するために、1セットの中だけで組み換えてみましょう。手足を入れ違えてみるだけでも面白いバランスが生まれます。

 1セットの中で構成する例をもう一点。パドルタイプの脚部から連想して、浮遊タイプのキャラクターとして提案してみました。

 

 アルトとの組み合わせ。30MM規格の関節なので如何様にも互換します。もちろんこのセットの胴体にアルトの手足をつなぐことも。こちらは少し違和感に仕事をしてもらった例。ここからどう馴染ませていくのか?監督のみなさん、どうでしょう?新作のイメージは浮かんできましたでしょうか?

 

 ガルドノヴァとの組み合わせ。似通ったプロポーションなので四肢の換装は当然のようにしっくりとしたもの。ガルドノヴァの腕をオプションパーツセットの胴体に取り付け、二人羽織のように背中に取り付けています。

 


 重機的な雰囲気を元から持っているバスキーロットとの組み合わせ。バスキーロットのCタイプジョイントで背中にバックパックとして積んだレッグユニットや、銃器用の長方形型ジョイントでライフルにマウントされたクローにご注目ください。無骨でありながら長い四肢という新しい類型のスタイリングに仕上がりました。

 

 アチェルビーとのカスタマイズ。マクシオン軍所属機体のデザインとは組み合わせにくいかも…と思われるかもしれませんが、このセットの短い太ももパーツはアチェルビーの太ももとの組み合わせるとちょうど良いという意外なマッチング!アチェルビーの人間に近いシルエットとキャンバスシーリング表現が組み合わさることで、あたかも服のようなニュアンスを醸す面白い表現になりますね。

 

 そして最後にちょっとした小ネタです。実はこのセットに付属する頭部は各種ロイロイと互換します。この既存のどの系統にも属さない「顔」のおかげで「何者でもないロイロイ」になります。彼(彼女?)を何者たらしめるのか、どんなキャラクターの相棒にするのかを決めるのは監督であるみなさんです!

 

君も30MMを監督してみないか?

 30MMのカスタマイズを映画に例えるなら、キットは役者。今年も続々と新人が入ってきます。役者を活かせるかは監督、つまりみなさん次第です。メガホンの代わりにニッパーを持って、キットと対話する。全体を見通すセンスや情熱、そしていちばん大事なのは楽しむ心です!シリアスに戦う英雄譚から遊び心に溢れるコメディまで。まるで映画を撮るようにカスタマイズに挑戦してみませんか?

 今回の開発ブログは期待の新人を紹介させていただきました。今までのどの仲間とも上手くやっていけるいい子です。監督、準備はできましたか?クランクインはもう間近です!

 

30MM 1/144 オプションパーツセット18(アームユニット/レッグユニット2)

2025年2月15日発売予定 定価1,188円(税10%込) 対象年齢8才以上

30MM 1/144 オプションパーツセット16(アームユニット/レッグユニット1)

2024年6月15日発売 定価1,188円(税10%込) 対象年齢8才以上