「ラビオット」の登場、カスタマイズミッションズの開催でますます盛り上がる30MMシリーズ。シリーズの盛り上がりに応えて「30MMカスタマイズガイド」もさらに特別増刊。
今回は(カラーコーディネート編)として初心に帰ってシリーズが当初から提唱してきた組み換えによる色調の変化を楽しむカスタマイズを紹介。
カラーコーディネートのためのラインアップ
30MMの特徴は、なんといっても『カラーバリエーションの豊富さ』といえます。
これまでに、現時点でアルトとポルタノヴァの本体カラーは10色以上ラインアップしております。
なぜカラーバリエーションが多いかというと、
”塗装する時間や環境がない方々へ向けたカラーバリエーション”でもあり、
組み換えだけで自分だけのカラーリングを再現できるという意図がございます。
プラモデル初心者の方でも、オリジナリティーが出せるように展開しているのです。
BANDAI SPIRITSではこの遊びを”カラーコーディネート遊び”と提唱しております。
そして、量産機なので各カラーバリエーションが豊富なのも納得ですね。
それでは、カラーコーディネート遊びのポイントを抑えていきましょう。
関節のカラーリング
武器と関節の色もコーディネートを前提とした色彩設計がなされています。
アルト(ホワイト)、同(イエロー)、同(レッド)の3体。関節の色に注目。
ロボットのプラモデルの関節部、特に共通の関節部品を使うものは色を揃えて「共通フォーマット」を強調する判断を下すことも多いのですが、30MMでは個別に関節色を指定しています。
これは各メインカラーに対する馴染みの良さを考慮した色彩設計に拠ったものです。奥まった位置にある関節は「影の落ちた箇所の色」として「黒っぽければ何色でもいい」くらいに思ってしまいがちですが全体の雰囲気を左右する重要な要素です。
試しに先の3色のアルトの関節色のみ入れ替えたものと比べてみましょう。印象の違いがわかるでしょうか?
アルト[ホワイト]を使った例を見てみましょう。
左から[ホワイト]付属/[イエロー]付属/[レッド付属]の関節パーツでくみ上げた例。
キット本体の関節を交換しただけでも全体の雰囲気が変わることがお分かりいただけるかと思います。
武器のカラーリング
一方で基本モデル付属のバックパック/武器類はニュートラルグレーで統一されています。特定の色味を持たない無彩色であるニュートラルグレーが採用されています。
これは30MMシリーズの汎用オプションと組み合わせる際に何色の機体色にも馴染むようにという理由です。そのために汎用オプションパーツはニュートラルグレーの成形色が採用しているのです。
さぁ、カラーコーディネートをはじめよう!
ここからは実際にカラーコーディネートの製作例を見ていきましょう。
シリーズ開始から1年近くが経ち、カラーコーディネートの幅も広がっています。
ポルタノヴァ作業用カラー
建機の黄黒縞をイメージしたコーディネート。ポイントは頭の分割を活かした黒ライン。胸部も後ろ半分を黒にしてひとつながりの黒と黄色の並びを作っている。着脱を前提としない箇所も組み替えられることに気づくと、バリエーションの幅が広がります。
アルト訓練機カラー
製品では色分けされてしまうパーツを敢えて揃えた組み合わせも新鮮で面白いです。
注目は白一色にしてしまった頭部。慣習的に色を分けてしまうところをあえて「ズラして」みせたのがポイント。
ポルタノヴァ警備カラー
警備隊ユニホーム風のカラーリング。制服等からイメージをサンプリングするのも面白いですね。左右非対称な箇所を設けて変化を持たせています。
アルト捜索隊カラー
実はコレ、特に決めごとを作らずに「探るように組み替えてみたらできた」ものに後から設定を与えてみた製作例。ただただ手を動かして色の組み合わせを「見出す」作業はそれだけでも楽しいものです。まずは手を動かしてみるという作り方ももちろん「アリ」なのです。
ポルタノヴァ・デモンストレーションカラー
同系2色とアクセントカラーといった見慣れた色のパターンから逸脱してみた例。大胆な左右非対称配色に加え、色相の異なる2色を加えた変則トリコロール。デモ機としての「特別感」のあるコーディネートです。
最後に注目の新製品ラビオット[ホワイト]、同[オレンジ]、同[ダークグレー]の3色を使った製作例をひとつ。
※[ダークグレー]は5月発売予定になります。
これらからうまくイメージを想起させて……
ラビオット宇宙仕様カラー
ラビオット[ホワイト]、[オレンジ]、[ダークグレー]の3色からの組み替え。
スペースシャトルのカラーリングをイメージした宇宙仕様カラー。
まだ色数の少ないラビオットなので今ある色から何を連想できるか?という逆算からアイデアを練ってみた製作例。
カラーコーディネートから加速するイメージ
カラーコーディネートの製作例として同じラビオットの色の組み換えだけで製作しましたが、ひとつ完成させるともう一つ何か…と足していきたくなるのが30MM。ここからはカスタマイズの要素も絡めてもう一歩すすんだ製作を紹介。
ロイロイ宇宙仕様カラー
製作例のラビオットに揃えた色のロイロイを製作。アルト付属のロイロイはキット1セットでは単色ですがこちらも複数を揃えての組み換えでカラーコーディネートを施すことができます。
宇宙仕様バックパック
素体モデルに宇宙仕様をイメージしたコーディネートをすれば、装備も宇宙仕様にカスタマイズしていきたくなるもの。ポルタノヴァ宇宙仕様のバックパックを取り付けてみる。ここでもひと工夫してラビオット[オレンジ]のパーツを混ぜ込むことで本体側と「お揃い」の意匠で馴染ませます。
本体、装備、ロイロイ、統一されたカラーコーディネートで組まれたカスタマイズ。まるで最初からこの色でデザインされた商品があるのではないかとさえ思わせる完成度。ラビオットには標準で軍籍マークを収録したシールが付属するのでマーキングまでそろえることができます。
成形色を活かした組み換えなら、ちょっとした思い付きを手軽に試すことができます。塗装するユーザーにとっても「近似色で色の組み合わせをテストしてみる」等製作支援ツールとしてとらえることもできます。
イロイロな、色のこだわりに触れてみよう───
30MMシリーズが当初から提案してきたカラーバリエーションの組み合わせによってカラーコーディネートする遊び方。オプションパーツを使ったカスタマイズに比べて紹介する機会の少ない要素でしたが今回ようやく独立した記事としてフィーチャーすることができました。
30MMシリーズの色彩設計への理解が深まれば、組み合わせるキットのえらび方や使い方もまた違った視点で接していけるのではないでしょうか。
これからも続々と新色がラインアップされていく30MM。
無限の可能性を秘めたカラーコーディネートにあなたも挑戦してみませんか?